コラム

 公開日: 2016-06-30 

通風できる窓は、防犯上安全に。

もうすぐ本格的な夏を迎えます。
梅雨時期の信州は、30℃を超える蒸し暑い日と20℃前後の肌寒い日が繰り返され、体調を崩しやすい。
外に出ると30℃で汗が噴き出る。事務所に入るとクーラーが効きすぎた23℃で急激に体が冷える。
自律神経がおかしくなるのも当然です。

この時期室内温度をエアコンで調整している方も多いと思いますが、断熱性能の高い住宅では、窓の開閉や日よけ、通風によってかなり温度をコントロールできます。
それこそが断熱すること、高性能サッシ採用の本当の意味なんですね。

外気温は±22℃。快適な温度は±5℃。


ここ信州は内陸性気候であるため寒暖の差がとても大きい、ということは誰もが感じているはずです。
冬の最低気温はマイナス10℃、夏の最高気温はプラス35℃。(37、8℃まで達しててしまうこともありますが・・・)
そうなるとその寒暖差は45℃近くにまでなります。プラスマイナス22℃。私たちはそんな激しい気候変動のなかで生活していることになります。

一方ふつうの人が快適だと感じる温度は、冬は20℃前後。夏は27℃前後です。
当然体感温度は湿度も影響を受けますが、あくまで気温だけでとらえると、19℃~29℃の間にないと「不快」、「いられない」ということになります。
住宅をつくる、ということの根源は、「いられる空間をつくる」といって過言ではありません。

外気温の変動は1日のなかでも刻々と変わってゆきます。
外気温の変動に対してすぐに連動しない室内温熱環境は、エアコンに頼るだけでなく、断熱材を正しく施工し、通風や日射を遮蔽することによって、けっこう達成できるのではないか、そう私は思うのです。

事実、床・壁・天井の断熱を厚くとり、高性能サッシを使ってできた住宅は、「エアコンを1台つけたけど、今年は一度も使わずに快適だった」なんていうこともよく聞く嬉しい声です。
※Q値=1.2、Ua値=0.4程度以下の外皮断熱性能を持たせた場合(株式会社Reborn標準仕様)

夏はとにかく窓から直射日光を入れない


断熱性能が弱い家は、とにかく風を通すしか打つ手がない。
朝、太陽が昇ると、東側のサッシから直射日光が入ります。
東側は台所がある家が多く、火を使って汗を流しながら調理をしている、なんて声もしばしば。
これを防ぐにはやっぱりカーテンとかブラインドよりも、すだれがいちばん効果的です。

すだれ

庇があればさらにグッド。フックとすだれを買いにホームセンターへゴーしてください。
当然西側、南面の窓も夏は必ずすだれやよしずをかけるようにしてあげましょう。

よしず

すだれやよしずの何がよいかは、窓の外側で太陽光をほとんどカットできるとともに、ある程度の通風も期待できます。
そして他の日よけ部材のどんなものより安い!(余計なお世話ですが、あれは破格の値段で果たして採算はとれているんでしょうか?)

壁に当たった風は、そのまま壁添いに横移動して、窓があればすっと室内に入り込みます。間接的に入ってくるのでとても心地いい風です。
ですからすだれは、窓から20~30cm離してぶら下げるのがミソ。強風時は風にあおられ、そのまま持って行かれるので、すだれの下には紐で暴れ止めをつけてあげるとなおよいです。

断熱がきちんととれている住宅では、さらに、朝9:00くらいに窓をすべて閉めてしまいます。
朝のうち、外に気持ちのいい風が吹いていたとしても、です。
じわじわとゆっくり気温は上がってゆきますが、外は30℃をとっくに超えています。室内はまだ28℃。
夏はそのたった2~3℃の違いが快適か不快かの明暗を分けることに、意外とみなさん気づいていないようです。

室内気温を上回る外気温を、わざわざ室内に取り入ないでください。
最近は、天気予報も精度があがっていました。外気温が28℃を超えない天気予報であれば、日中開けっ放しでもOKですが、日除けがあることが前提です。

日中は外気温が35℃を超える日が、ここ信州でも頻発していますから、原則、日中は窓を閉めておきます。
そして夕方外気温が28℃程度まで下がってきたら窓を開け通風をします。
しかし、とにかく直射日光をできるだけ室内に入れない、それが前提です。

夜間開けっ放しで防犯は大丈夫なのか?


長野県のような地方では、まだまだ夜間窓を開けっ放しで寝ている家庭が多いと感じています。
窓を開けておかないと寝られないから、ということでもあると思います。
当然ドロボーさんにとっては最高な季節。入念な下見調査をしたうえで空き巣に入り、窓やドアを壊すことなく簡単に侵入することができます。
都会に暮らす人にとっては信じられない「窓開けっ放し睡眠」が日常化しているのがここ信州です。

窓を開けないと寝られない、開けて置おいたら空き巣に入られた、さらに恐ろしい場合は殺人事件にまで発展しかねない。
夜間開けることができる(通風する)窓を計画することは、設計士の責任問題だともいえると思います。

ドロボーさんの心理とすれば「できるだけ見つかるリスクの少ない家に入りたい」、そう思っているのは当然でしょう。
1階の掃き出し窓が開きっぱなしで2階が寝室。その窓は近所からも目が届かないブロック塀の向こう、なんていう状況は格好の標的に。もしかしたら空き巣に入られたことも気づいていないかもしれません。

以前警察官の方から、「都会から団体でドロボーさんが地方にやってくる。そして一気に一晩でたくさんの家が空き巣に入られる。入るほうがもちろん悪だけど、開けておく方も、「ほらどうぞ」、って言ってるようなもんだからね~。我々としてはどっちもどっちだと思うよ」なんてことを聞きました。
「窓やドアがあるかぎり、100%防犯上安全な家はできないけれど、ドロボーさんはやっぱりリスクの高い家は避けたいから、入りづらい、見つかりやすい、時間がかかる、、、そんな家なら、まぁ、よっぽどおいしい宝物がない限りほかの家にいくんじゃないですかね」とも。

夜間開けておける窓はどんなもの?

人が入れそうもない幅20cmくらいの窓、
開閉ストッパーがついた窓(よこすべり出し窓、ドレーキップ窓、回転窓)、
面格子付き窓、
防犯ガラス入り窓、
シャッター付き窓、
防犯上考慮された窓の種類がいくつか発売されています。

そのほか建築的に通風性を考慮した例を紹介します。

換気用天窓
2階の屋根の頂部につけた天窓。リモコン式の電動開閉タイプで雨が降ると自動で閉まる機能を併せ持ちます。プログラムをあらかじめ設定しておき、夜間は開ける、日中は閉めるなどの時間管理が可能。
VELUX VS電動タイプ 
旧家には「越屋根」と呼ばれる、排気用の小棟が屋根の頂部によくありましたね。
囲炉裏のある家では必須でしたが、夏も換気を促進する機能がありました。

物干し場所としてのデッキテラスを、柵で囲っています。内側から施錠ができ、入口もあります。
外観デザインとしても重要な要素で、この家全体のアクセントになっています。


このような建築的な工夫があると、夏の過ごしやすさはグンとよくなります。

この記事を書いたプロ

株式会社Reborn [ホームページ]

塩原真貴

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TEL:026-274-5485

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